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【無料RPA】Power Automate Desktop 活用事例 いまさら聞...
2025/10/2
【無料RPA】Power Automate Desktop 活用事例 いまさら聞けない変数の基本

本シリーズでは、Power Automate Desktop(以下、PAD)を活用して業務の効率化や自動化を進めるためのヒントをご紹介しています。
今回は、PADを使いこなすうえで欠かせない要素である「変数」について解説します。
変数とは、フローの中で値を一時的に保存して使う“箱”のような仕組みです。
ファイル名や日付、計算結果、ループ中のカウンター、外部システムからのレスポンスなどを保持し、後続の処理で利用することができます。
「使い回せる情報をまとめておく」ことで、フローが柔軟になり、保守や拡張もぐっと楽になります。
このコラムでは、PADにおける変数の基本から、種類と役割、そしてベストプラクティスまでを整理してご紹介します。
※Power Automate Desktop (PAD)とは?
MicrosoftがWindows10/11ユーザー向けに無償で提供しているPC自動化ツールです。Windows11には最初からインストールされています。
プログラミングなしでPCの操作を自動化できます。
本コラムでは当ツールの活用方法をご紹介しています。
インストール方法はこちら
1. 変数とは?
変数は、フローの中で「値を一時的にしまっておく場所」です。役割は大きく分けて2つあります。
① 値を入れる
ある処理で取得したデータ(ファイル名、日付、件数など)を変数に入れておきます。
② 値を受け渡す
入れておいた変数を次の処理で取り出して使います。
例えば「ファイル名を保存 → そのファイルを移動 → メールに添付」というように、処理の流れをスムーズにつなげます。
イメージとしては「箱にデータを入れて、次の処理に渡す」仕組みです。
この“データの受け渡し役”があるからこそ、フロー全体が一つの流れとして動くのです。
2. 変数の種類と役割
フローの中で扱うデータには、いろいろな“種類”があります。
たとえば:
· 「ファイル名」や「住所」は“文字のデータ”
· 「件数」や「金額」は“数値のデータ”
· 「はい/いいえ」で答えるような情報は“真偽のデータ”
PADでは、こうしたデータの種類を区別するために「型」という仕組みを使います。
型を知っておくと、「この変数にはどんな情報が入るのか」「どんな処理ができるのか」が分かりやすくなります。
PADで扱える代表的な変数の型は次のとおりです。
· テキスト(文字列):ファイル名、パス、メッセージなど
· 数値(整数/小数):カウンター、計算結果など
· 真偽値(Boolean):条件分岐の判定に利用
· 日時(DateTime):処理対象日、タイムスタンプなど
· リスト(List):ファイル一覧、行の集合など
· データテーブル(DataTable):表形式の集計結果など
· 辞書(Dictionary/オブジェクト):キーと値のペアで複数情報を保持
· 特殊型(UI要素/ウィンドウ/ファイル/フォルダ参照):UI自動化やファイル操作専用
まずは「文字・数値・日付」など身近なものから意識すると理解しやすいです。
一般的に、フローの途中で得られた値は「変数」に格納して扱います。
3. 変数が生成されるタイミング
PADでは、フローを実行するときに「変数がどの場面で生まれるか」を理解しておくと、処理の流れがぐっと分かりやすくなります。
主なタイミングは次の4つです。
① アクション実行時に自動生成される
説明
多くのアクションは「実行結果」を自動的に変数に格納します。ユーザーが特に指定しなくても、結果が変数として残ります。
· 例1:フォルダ内のファイルを取得
→ Files(リスト型)が自動生成される
活用例:取得したファイル一覧をループ処理で順番に操作できる
生成された変数は、アクションウインドウ下部に表示されます。
ここで、変数名の編集も可能です。
· 例2:Excel ワークシートを読み取り
→ ExcelData(データテーブル型)が自動生成される
活用例:読み取ったデータを加工・集計してレポート作成に利用
② 入力時に指定した変数へ格納される
説明
一部のアクションでは「結果を格納する変数名」を自分で決めることができます。名前を付けておくと、後続処理で分かりやすく参照できます。
· 例1:現在の日時を取得
→CurrentDateTimeという変数に格納
活用例:処理実行日をログに残す、ファイル名に日付を付与する
· 例2:メッセージを表示(ボタンの選択値を取得)
→ButtonPressedという変数に数値で格納
活用例:ユーザーが「はい/いいえ」を押した結果で処理を分岐する
③ 計算や文字列操作の結果として生成される
説明
計算や文字列の結合を行った結果を、新しい変数に代入することで変数が生成されます。
· 例1: %Numnber1 + Numder2%をtotalSumに代入
活用例:別々に算出した値を計算する


· 例2:Nameと MailText を新しい変数MailMessage に代入
活用例:動的に名前入りの挨拶文を作成し、メール送信に利用する


既に存在する変数に値を上書きすることもできます。
④ 「変数を設定」アクションで明示的に作成する
説明
あらかじめ自分で変数を用意しておきたいときに使う方法です。初期化や再利用のために設定しておくと便利です。
· 例1:FileNm に空文字 “” を設定
活用例:ダウンロードしたファイル名を一時的に入れて、後続で移動・リネームに利用

ループ処理でファイル名を当てはめていく際に、エラーが発生しにくくなります。
· 例2:RetryCount に 0 を設定
活用例:エラーが発生したときのリトライ回数を管理できる
複数の例外処理を実装している際に、設定を一括で変更できます。
💡 ポイントは、変数は「処理を行った瞬間」に自然に生まれるということです。
どの処理でどんな変数が生まれるのかを意識すると、フロー全体がぐっと理解しやすくなります。
4. ベストプラクティス
○まず知っておきたいこと
変数を使うときには、ただ名前をつけて使うだけではなく、
· わかりやすい名前をつける
· 初の値をどうするか決める
· どこまでの範囲で使えるか考える
· あとから見ても理解できるように工夫する
といった工夫が大事です。
これを守ることで「フローが壊れにくく」「チームでもわかりやすい」作りになります。
命名規則
変数名のつけ方の決まりです。
役割がわかりやすい名前をつけておくことで、誰が見ても迷わないフローを作れます。
初期化
変数の初期値を設定することを指します。
条件分岐のあるフローでは、変数に初期値を設定しておくと安定性が上がります。
スコープ管理
スコープとは、変数を使用できる範囲を指す言葉です。
フローが長く複雑になると、意図せず変数の上書きや名前の重複が発生します。
必要以上に広く使わないことで、これらの問題が発生しにくくなります。
可読性と保守性
あとからの見やすさに関するポイントです。
コメントを残しておくと、後から見る人が処理を理解しやすくなります。
ログを残す仕組みがあると、トラブルがあっても原因を追及しやすくなります。
それぞれ例を出していきます。
命名規則
変数名は以下に気を付けてつけましょう。
· 意味がわかる名前にする
✕ a1、x
〇 fileName、count、todayDate
· 複数なら複数形にする
例:file(1つ)/files(複数)
· 英語で書く(日本語は使わない)
✕ ファイル名
〇 fileName
初期化
変数の型に応じて初期化する際の値は変わります。
· 文字列:空文字 ”
· 数値:0
· 日付:今日などの基準日
· リスト/辞書:空で用意
· 使う直前に初期化して可読性を保つ
スコープ管理
· その場だけで使う変数
👉 「1つの小さい処理の中だけ」で終わる変数は、そこで完結させる。
(例:サブフローの中だけで使うファイル名など)
· 全体で使う必要がある変数
👉 「いろんな処理で共通して使う」ものだけを全体用にする。
(例:ログインID、処理の結果など)
· できるだけ小さな範囲で使う
👉 必要がないのに全体用にすると、あとから値が変わってしまってトラブルの原因になる。
イメージ
👉 全校で必要なもの以外は、教室の中だけで管理した方が安心。
可読性と保守性
· コメントに「目的」「単位」「使用例」を記載
· 重要な変数はログ出力し、トラブル時に追跡可能に
5. まとめ
Power Automate Desktopにおける「変数」は、フローをつなぐ“情報の受け渡し役”です。
値を入れて取り出すことで処理を柔軟に組み立てられ、再利用や拡張もスムーズになります。
· 基本:変数はフロー内で値を一時的に保存する“箱”。
· 種類: テキスト、数値、日付、真偽値、リスト、データテーブルなど、扱う情報に応じて型を意識する。
· 生成タイミング:アクションの実行時や入力指定、計算・文字列操作、明示的な設定など、さまざまな場面で自然に生まれる。
· ベストプラクティス:わかりやすい名前、適切な初期化、スコープの意識、コメントやログによる保守性向上。
これらを押さえておけば、フローは“壊れにくく・わかりやすく・拡張しやすい”ものになります。
変数を意識して使いこなすことが、安定した自動化を実現する第一歩です。
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投稿者
白川
Power Automateを中心に、業務自動化や業務改善の支援を行っています。 セミナー講師として、自動化の考え方や設計のポイントをわかりやすくお伝えしています。


