Column
コラム
【kintone】「また合計が合わない…」紙の明細へのイライラと、不毛なやり直し...
2026/6/11
【kintone】「また合計が合わない…」紙の明細へのイライラと、不毛なやり直しを減らす方法

本記事は、kintoneを使った見積・受注業務の見直しをテーマにした2部構成の第1回です。
第1回では、事務・経理担当者が行っていた転記作業や確認作業を減らす方法をご紹介します。
第2回では、営業担当者が見積データを入力する際の手間を減らし、無理なく運用するための工夫をご紹介しています。
毎日、紙の見積書や明細を見ながら、販売管理システムへ数字を入力する。
この作業、思っている以上に神経を使いますよね。
1件ずつ内容を確認して、金額を打ち込んで、明細を積み上げていく。
やっと終わったと思ったら、見積書の合計金額と、入力後の合計が合わない。
そうなると、どこで間違えたのかを最初から見直すことになります。
「この確認、今日も終わらないかもしれない」
そんなふうに感じたことがある事務担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、紙の見積書をもとに入力していた事務作業を見直し、
転記ミスややり直しを大幅に減らした方法をご紹介します。
1. 事務担当者を悩ませる「合計が合わない」問題
これまでは、営業担当者が作成した見積書をもとに、事務担当者が販売管理システムへ1件ずつ手入力していました。
見積書では合計金額が正しく記載されているのに、販売管理システムに明細を入力して合計すると、金額が合わない。
このようなことが起きると、どこで入力を間違えたのかを1行ずつ見直さなければなりません。
しかも、1件だけでは終わりません。
1日30件、50件と入力がある日には、1件あたり3〜5分の入力でも、合計で2〜3時間かかることがあります。
そこに確認ややり直しが入ると、夕方の忙しい時間がそのまま入力作業で埋まってしまいます。
ただ入力しているだけのつもりなのに、
実際には「入力」「確認」「再確認」「やり直し」が何度も発生していた。
これが、事務担当者にとって大きな負担になっていました。

2. 事務作業を見直すために使ったのがkintone
そこで使い始めたのが、kintoneです。
kintoneは、入力したデータを一覧化できるので、紙やバラバラのExcelよりも内容を確認しやすく、業務ごとに整理して管理しやすい仕組みです。
今回まず作ったのは「見積アプリ」でした。
営業担当者が、見積内容をkintoneに入力できるようにしたのです。
ここで大きく変わったのは、事務担当者の仕事です。
これまでは、紙の見積書を見ながら、同じ内容をもう一度販売管理用に打ち直していました。
しかしこの方法に変えてからは、すでに入力されているデータを一覧で確認し、そのまま次の処理に進めるようになりました。
つまり、事務担当者がゼロから数字を打ち込む場面そのものが減ったのです。

営業担当者にとっては、最初は「入力する手間が増える」と感じることもあるかもしれません。
ただ、見積情報がkintoneに集まると、過去の見積を探しやすくなったり、どの地域・業種で受注につながりやすいのかを確認しやすくなったりします。
事務担当者の負担を減らすだけでなく、営業活動の振り返りや会社全体の情報活用にもつなげられる。
ここが、単なる入力作業の置き換えとは違う大きなポイントです。
営業担当者の入力負担を減らす工夫や、無理なく見積データを登録してもらうための方法については、第2回の記事で詳しくご紹介しております。
3. 販売管理システムへの登録も、手入力から「確認中心」へ
ここで気になるのが、
「結局、最後は販売管理システムに入れる必要があるのでは?」
という点だと思います。
その点についても、今回の方法では負担を減らせます。
kintoneに入力したデータは、販売管理システムに取り込める形式でまとめて書き出すことができます。
たとえば1日50件の見積処理がある場合、
これまでは紙を見ながら1件ずつ手入力していたため、入力だけで2〜3時間かかることもありました。
一方で、kintoneに先にデータが入っていれば、事務担当者の作業は
一覧で内容を確認する
必要に応じて修正する
販売管理システムに取り込むためのデータを出力する
販売管理システム側で取り込む
といった流れが中心になります。
その結果、作業時間が 30分〜1時間程度に収まる ケースもあります。
もちろん、ここは完全に何もしなくてよくなるわけではありません。
ですが、作業の中身が
「紙を見て1件ずつ打つ」から
「入力済みデータを確認してまとめて取り込む」へ変わることで、
負担はかなり軽くなります。
なお、この方法が特に効果を発揮しやすいのは、次のような条件がそろっている場合です。
販売管理システムが、他のシステムで作成したデータの取込に対応している
見積と受注で使う項目がある程度整理されている
営業担当者がkintoneへ入力する運用にできる
こうした前提が整うと、事務担当者の入力作業はぐっと減らしやすくなります。

実際に変わったのは、入力方法だけではありません。
事務担当者の作業そのものが、次のように変わりました。
(※時間や件数は一例です。業務内容や運用方法によって異なります。)
項目 | Before | After |
営業担当者の作業 | 紙の見積書を作成し、事務担当者へ渡す | kintoneへ見積内容を入力する |
事務担当者の作業 | 紙の見積書を見ながら、販売管理システムへ1件ずつ手入力する | kintone上で入力内容を一覧で確認し、必要に応じて修正したうえで次の処理へ進める |
受注データへの反映 | 見積内容を見ながら、同じ内容を受注用に再入力する | 確認した見積データをボタン操作で受注アプリへ反映できる |
1件当たりの作業内容 | 紙を確認 → 数字を入力 → 明細を確認 → 合計を確認 | 入力済みデータを一覧で確認 → 必要に応じて修正 → 次の処理へ進む |
50件処理にかかる負担 | 1件ずつ手入力するため、入力だけで2〜3時間かかることもある | 一覧確認とデータ取込が中心となり、30分〜1時間程度に収まることもある |
ミスが起きやすい場面 | 紙からの転記時、受注データの再入力時、合計確認時 | 初回入力時や取込前確認時が中心になり、転記によるミスは大幅に減る |
その他 | 夕方に入力が集中すると、確認ややり直しで作業が止まりやすい | 何を確認すべきか一覧で見えやすくなり、やり直しや心理的負担も減らしやすい |
4. 「また最初から確認…」が大幅に減った
この流れに変えてから、事務担当者の負担は大きく変わりました。
見積データをそのまま受注データとして使えるようになったことで、
転記ミスや金額ズレは大幅に減りました。
これまでのように、紙の見積書を見ながら別のシステムへもう一度打ち込む場面が少なくなったためです。
その結果、
見積書と明細の合計が合わない
どこを打ち間違えたのかわからない
最初から全部見直す
次の作業に進めない
こうした流れが起きにくくなりました。
以前は、夕方になると入力が溜まり、
「今日も間違えずに終われるだろうか」と気が重くなることもありました。
でも今は、確認するべきものが一覧で見え、入力作業そのものも減ったことで、
事務担当者の心理的な負担もかなり軽くなっています。
「夕方の入力ラッシュが前ほど怖くなくなった」
そう感じられるだけでも、日々の仕事のしやすさは大きく違います。
5. 「便利そうだけど、うちでもできるのかな」と思ったら
さて、ここまで読んで
「確かに楽になりそうだけど、うちの業務に合うのかな」
「営業に入力してもらう運用が本当に回るのかな」
「販売管理システムとのつなぎ方が難しそう」
と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、業務改善はシステムを入れるだけで終わるものではありません。
現場に合う形で、無理なく回せるように整えることが大切です。
私たちワイ・ビー・シーは、サイボウズのオフィシャルパートナーとして、さまざまな現場の業務改善を支援してきました。
「紙の運用を減らしたい」
「事務担当者の入力負担を軽くしたい」
「まずは一部の業務だけでも見直したい」
そんなご相談でも大丈夫です。
最初から大きく変えなくても、まずは小さく始めて、無理のない形で整えていくことができます。
まずは、いまの入力作業のどこで手戻りが起きているのかを整理するだけでも、改善の第一歩になります。
詳しくはこちら
投稿者
原
Webシステム開発者兼、kitnone導入支援者。皆様の業務のデジタル化を全力で支援します。


