コラム - お役立ち情報

2025.07.24

統計情報が顧客の付加価値に? MAP-STAR for kintone 機能紹介

前回のコラムでは、MAP-STAR for kintoneというプラグインを使い、
kintoneのデータが「地図上で動く」体験の魅力をご紹介しました。
今回は、メッシュ/町丁字単位で国勢調査データを表示できる機能を紹介いたします。
小さな区画ごとに人口や世帯属性を重ねて見られることで、現場の意思決定はどう変わるのでしょうか?

INDEX

機能のポイント ― 小地域統計をワンクリックで

1. 500mメッシュと町丁字の切り替え表示に対応

 地図上のエリアに応じた周辺の統計情報を表示できます。
 統計値に応じてポリゴンの色分けが自動で行われ、視覚的に違いが一目で分かります。
 用途に応じて、500mメッシュ単位と町丁字単位を切り替えて表示できます。

 メッシュ単位

 町丁字単位

2. 多彩な統計指標に対応

  • 総人口
  • 年齢別人口(0–14歳、15–64歳、65歳以上 など)
  • 世帯数・世帯構成比(単身世帯、核家族、高齢者同居など)

好きな指標をプルダウンから選択し、ポリゴンごとに色分け表示できます。

3. kintoneに登録したデータと一緒に表示される

既存の顧客情報や店舗データをピン表示のまま残し、統計データと同時に確認可能。どの店舗エリアにどのような住民層がいるか、その場で比較できます。

どんな場面で活きるのか

シーン1:新店舗・拠点の立地検討

• ターゲット層の定量把握
 開業候補地の20×20の500mメッシュごとに、15–34歳の若年人口比率を可視化。繁華街周辺と住宅街のすみ分けを数分で完了。
• 競合店舗との比較
 自社・他社の店舗位置を重ね、最寄りメッシュの世帯数と推定顧客数を比較。需要過多/過小エリアを一目で抽出。

シーン2:既存顧客カバー率分析

• 空白エリアの発見
 顧客レコードをピン表示した上で、人口密度メッシュと重ね合わせ。顧客未到達の高人口エリアを色で強調し、新規アプローチ先を即発見。
• 施策エリアの優先順位づけ
 町丁字単位で世帯数や平均所得を確認し、効率的なDM配布エリアをランク分け。

シーン3:配送・訪問ルートの最適化

• 高優先度エリアの選定
 ターゲット層の年代の集中度が高い町丁字を優先訪問リストに自動追加。その世代にとっての高付加価値商品の提案活動で成果向上。
• 所要時間の見積もり
 配送ルート上のメッシュごとのピン数をもとに、滞在時間を試算。効率的なルート設計を支援。

シーン4:行政・防災計画支援

• 避難所配置シミュレーション
 高齢者・単身高齢者(要援護者)の多い町丁字を抽出し、避難所や支援拠点の最適配置を検討。
• 物資配分量の割振り
 世帯数・人数データをポリゴンごとに累計し、救援物資や給水ポイントの数量計画に活用。

できることが増えるほど、意思決定はどう変わる?

• 感覚からエビデンスへ
 その場で統計データを参照しながら、レポート作成や上長説得用の資料を即時生成。
• 営業効率の劇的向上
 少ない訪問で最大成果を得るために、潜在顧客が多い町丁字を優先的にリスト化。訪問コストを削減しつつ、成約件数のアップに!
• PDCAサイクルの高速化
 キャンペーン実施後に、対象エリアの人口属性と成果を比較。仮説→実行→検証→改善を地図上で完結。

まとめ

MAP-STAR for kintoneの「国勢調査表示機能」は、地図上に人の気配を落とし込むことで、従来の位置情報分析を一段上の次元へ引き上げます。
• どこにデータがあるか から
• そこにどんな人がいるか までを可視化し、
より合理的かつ創造的な意思決定をサポート。
ぜひこの機能を活用し、現場での意思決定力を一歩先へ進化させてください。

 記事を書いた人
記事を書いた男性アイコン
 株式会社ワイ・ビー・シー
 営業部 Innovation課
 原
 
 

kintoneに関連する記事はこちら
第1回 紙の日報から“スマホ1分”へ――もしあなたの現場が kintone を使ったら?
第2回 「Excelからの卒業」――その先に潜む落とし穴と、kintoneで踏み出すDX

MAP-STAR for kintoneに関連する記事はこちら
第1回 顧客データを“地図”で最大活用 ─ kintoneユーザーのためのプラグイン紹介
第2回 kintone 地図プラグイン 機能紹介 ― 国勢調査データをメッシュ・町丁字単位で可視化
第3回 kintone 地図プラグイン 機能紹介 ― 「地図保存機能」で、10分の作業が2分に!