コラム - お役立ち情報

2023.12.19

【第3回】Excelをデータベースにするのはやめよう! ワイ・ビー・シーの業務改善

前回、弊社が伝票管理にて紙をベースとしていたのを、PCだけで運用できるよう改善したというお話をしました。
今回は、Excelをデータベースとして扱うことをやめた、というお話です。

新システムを入れても続いたExcelとの二重登録

前回、社内システムに受注伝票を管理する新機能を作成したことで、それまでの紙での運用をなくすことができた、というお話をしました。
 

 
受注伝票をシステムで管理できるようにはなったものの、ここまでは単に「紙がシステムになった」ぐらいの感覚でもありました。
もちろん、システム化されたことで、情報の検索がしやすくなったなどの効果はありました。
ただ、受注情報がシステムに登録されたまでで、情報がその先につながることはありませんでした
 
その先の連携が必要とされていたことの一つが、売上実績情報への展開でした。
受注管理のシステム化以前は、Excelで受注伝票を作成した上で、さらに売上管理のExcelにも別途入力していました。
 

 
受注管理がシステム化された後も、売上情報のExcelにも別途手入力することは続いていました。
 

 
Excelでの売上管理には、このようなデメリットがありました。
 

・そもそも別途手入力する手間
・Excelに入力するのが専任担当者のため属人化されていた
・手入力ということは転記ミスが起こる可能性も
・誰かがExcelファイル自体を誤って消してしまう恐れもあった

 
受注伝票に登録した内容を、別途Excelにも入力したいと思う人はいないと思われます。
それよりも、システムを提供する立場としては「大事なデータをExcelだけで管理している」ということの方が大いに気になる点でした。
 
上記デメリットの「誰かがExcelファイル自体を誤って消してしまう恐れもあった」というのは、Excelで管理されている以上は日常的に起こり得るリスクです。

消失してしまうリスクはその他にも考えられます。
 

・誰かが閲覧している時に、誤って入力内容が消えてしまったり、シートが削除されたり
・消されずとも、クリックした弾みでどこかへ移動してしまったりすることも
・故意に改ざんすることも、しようと思えば簡単にできてしまう

 
このような事態を回避すべく、大事なデータをExcelだけで管理するのはやめ、システム化してデータベースで管理されるべきです。
Excelでの管理に比べると、システムで管理した場合の消失リスクは非常に低くなります。
まず、Excelでは単に閲覧する場合でも、データを編集することができてしまいますが、システムでデータを閲覧する場合には閲覧専用の機能が用意されます。
単に見ているだけでは何かの弾みでデータが書き換わったり消えたりすることはありません。
それに、システムでは万が一に備え、定期的にバックアップされています。
Excelもバックアップのためにどこかにコピーしておくことも考えられますが、何重にもコピーした挙句どれが本物か分からなくなった、という経験はないでしょうか。

Excelにも強みはある

大事なデータをExcelだけで管理しているのは非常に危険であるということはご理解いただけましたでしょうか。
確かにExcelは重要なデータの保存には不向きですが、使い道によってはものすごく便利なツールです。

例えば、Excelは任意の項目での集計、フィルタリングや、様々なグラフの作成などが得意です。
今回の売上情報のようなデータではよく、月別や部門別などの集計、推移などが求められることがあります。
見たい人によっても、月や年度、部門別や得意先別など、その切り口は多岐にわたることでしょう。
システムで様々な切り口での閲覧機能を開発するのと、Excelで実現することを比べると、できるまでの時間、容易さではExcelに軍配が上がります。

しかしながら繰り返しになりますが、データの管理自体をExcelで担うには、先に挙げたようなリスクが伴います。ではどうするのが良いのかと言いますと、データの管理はシステムで、様々な集計表やグラフを作りたい時はExcelで、それぞれできるようにします。
こう聞くと、「システムでデータを管理しているのにExcelで、とは!?」と混乱されてしまうかもしれません。実際にはこのようにされることをおすすめします。
 
・システムからデータをCSV形式でダウンロードする

 
・ダウンロードしたCSVデータをExcelに貼り付け、そこで任意の集計表やグラフを作成する

 
Excelにはデータを貼り付けるだけで集計表やグラフを作ることができるよう、あらかじめ数式などを仕込んでおくと便利です。

このように、管理、保存はシステムで、集計表やグラフはダウンロードしたデータからExcelで作成するようにすることで、元のデータが上書きされたり消えたりすることはありません。
仮にExcel上で誤ってデータを変更したり消してしまったとしても、再度システムからダウンロードして貼り付け直せば良いだけです。
システムでのデータ管理とExcelの利便性の、まさに良いとこ取りと言えます。

やはりシステムで全て見られるのが理想

こうして見るとExcelも非常に手軽で便利ではありますが、「その都度ダウンロードしてExcelに貼り付けるのは手間」という声も当然あるものと思われます。
同じシステムで全てを見ることができるのは理想的です。
それを実現するには、様々な切り口での集計表やグラフなども、システムで閲覧できるような機能を開発する必要があります。
しかし、それらの機能が多ければ多いほど、開発するコストがかかってしまいます。
先にも述べたように、「見たい切り口は人それぞれ」ということを考えると、まずはどれだけの機能を開発すれば良いかということから考える必要があるかもしれません。

いずれにしても、Excelだけでのデータ管理に依存しない仕組みを構築することをお勧めします。

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