コラム - お役立ち情報

2023.09.11

【システム会社の本音】古いシステムを使い続けてほしくない理由は?

古いシステムを使い続けるのは危険です

現代では業務システムの寿命は、長くても10年程度と言われています。
しかしながら、実際には10年以上経っていて、今でもそれほど問題なく稼働している、という会社様も一定数存在しているものと思われます。

ところで、ご存知ですか?
会社で普段使われている業務システムが導入されたのは何年ぐらい前か。
言うまでもなく、会社様によって様々でしょう。

  「導入したばかり」 「数年前」
  「7、8年になるかな」
  「入社してから変わっていない、ということは10年以上!?」
 
では、10年を超えるシステムが稼働しているのは、果たして本当に危険なのでしょうか?

結論から言うと「危険」です。

INDEX

一般的に言われている理由
動いているから替える必要はない!?
システム会社の立場での本音
それでも我々は保守を続けますが・・・この目まぐるしい時代の中で
「2025年の崖」でも言われています
かかるのはお金だけでなく時間も
目的を「システム刷新」ではなく「業務改善」にしてみては

一般的に言われている理由

なぜ古いシステムを使っていることがいけないのか?に対して、世間一般で言われている代表的な理由は以下の通りです。
 

・サポートの終了などからセキュリティ対策ができなくなる
・ハードウェアの性能が現在の水準に達しておらず、業務遂行のスピードが上がらない
・新しいソフトウェア、ハードウェアとの互換性がなく、拡張性に乏しい
・導入当時の運用と現状の業務が合わなくなり、逆に手間がかかってしまう

 
例えるなら、建物の老朽化や、古い家電製品や自動車などを使い続けることで生じるのと似たようなこと、とでも言うことができるでしょうか。
ここまでは何となく想像はつくのではと思われます。

動いているから替える必要はない!?

システムを替えようとしない理由としてよく耳にするのが、

「今も動いていて問題ないから」

お気持ちは分かります。
ただ、今はともかくとしても、この先はどうでしょうか?

古いハードウェアも機械ですから、いずれは動かなくなってしまいます。
その時が来たら、「新しいハードだけ買ってソフトは載せ替えれば良い」というわけにはいかないかもしれません。
年数が経っていればいるほどその可能性は高くなってきます。
というのは、ソフトウェアもまた古くなっており、場合によっては新しいハードウェアに対応していないこともあるからです。

実際にそういう状況になったとしたらどうでしょう?

最悪の場合、業務が止まってしまうのではないでしょうか。

システム会社の立場での本音

その他の理由として、特にシステムを提供している立場としても挙げたいのが、

システムを保守できる人が限られてしまう

というものです。

先述した理由はどちらかと言うと、ハードウェアやソフトウェアそのものが古くなるという物理的なことです。
ところが、

「分かる人がいなくなる状況というのは、どうも受け入れられない
 継続して保守できるよう、人を確保しておくべきではないのか」

のように感じていらっしゃる方も少なくないようです。

我々のような業務システムを提供している立場では、古いシステムを目の前にするとやはり「新しいものに替えませんか」という提案をします。
それには、基本的には先述したような理由が根底にあります。

システムを利用されている会社様からすると、「新しいものに替えませんか」で率直に感じられるのは、
「要するに新しいシステムを売りたいのでは!?」
のような、いわば営業的な圧力のようなことではないでしょうか?
それも理解できます。人間誰しも、できれば高いお金を払わずに済むならそうしたいと思うものでしょう。
正直なところ我々も企業であるが故、この売上を望んでいないと言えば嘘になります。

しかし、これは少なくとも当社、私自身の思うことですが、

システムを保守できる人が限られてしまう

こそ、本音として大きな理由です。

それでも我々は保守を続けますが・・・この目まぐるしい時代の中で

ITの世界では変化が目まぐるしく、下手をすると一年前の技術も枯れてしまう可能性すら抱えています。
このような世界で、「古い技術しか知らない、新しいことは覚えたくない」技術者は、自ずと働き口が狭くなり、結果的に淘汰されてしまうことも大いにあり得ます。
そうはなるまいという姿勢で日々取り組んでいます。

システム会社として、新しい技術が急速に進化している状況下では、新技術に適応できる技術者を増やす必要があります。その反面、古いシステムのサポート体制はどうしても希薄とならざるを得ません。
古いシステムを利用されている会社様の満足度を維持することは、今後ますます難しくなるでしょう。

そうは言いつつも我々は、目の前にあるシステムの保守を続けます。

しかしながら、ハードウェアやソフトウェアにも寿命があると考えると、命あるもの必ず終わりがあるのも避けられません。

本音を続けさせていただきますと、若い技術者にはやはり古い技術よりも、できることなら今後もお客様の業務改善に活かすことができる技術を身につけてもらいたいと、長い目で見て考えております。


「2025年の崖」でも言われています

経済産業省から発表されている「DXレポート」でも、2025年には古いシステムの技術者が引退を迎え、維持させるにはますます技術者が不足するという内容が記載されています。
また、古いシステムを使い続けることは、結果としてリスクや負債を抱えることとなり、企業としても競争に敗れてしまうことになる、とも言われています。

競争力を失うのは我々システム会社も同様です。下記の図の右側にある「放置シナリオ」をご参照ください。
「ユーザ」が古いシステムを利用し続ける会社様、「ベンダー」が我々のようなシステム会社です。

引用 経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(サマリー)」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

かかるのはお金だけでなく時間も

先に挙げたような状況、故障によるハードの交換で今まで使われていたソフトが載せられなくなったとなると、そう簡単には新しいシステムを用意することができなくなってしまいます。
それを未然に防ぐためにも、問題なくシステムを利用している今から、次のシステムの検討に入られることをお勧めします。

システムの検討から開発、導入に至るまでは、規模にもよるため一概には言えませんが、例えば数ヶ月程度では短いことの方が多いのが実情です。
今からでも次のシステムを考えるというのも決して早過ぎることはないかもしれません
 
とは言いましても、一度にコストをかけられないというお声もあることと思われます。
そのような場合は、システム全体を一度に入れ替えるのではなく、優先的なものから段階的に入れ替えていく、といったような方法も検討されてはいかがでしょうか。

目的を「システム刷新」ではなく「業務改善」にしてみては

新しいシステムを検討するなら加えてお勧めしたいのが、現行のシステムを新しく構築する環境に焼き直すのではなく、改めて業務自体を見直した上で必要なシステムを作り、結果として業務がより捗ることを目指すということです。
やはり結構な時間を要してしまうというのはお分かりいただけると思われます。

決して現行システムにとらわれることなく、あくまでも業務改善を目標に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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