コラム - お役立ち情報

2023.05.31

満潮は1日2回

はじめに

潮の満ち引きは月の引力で海水が引っ張られることで起こるんですよ、と理科の授業で教わりました。
筆者の記憶なので今の学校で確認したわけではないですが、万有引力を教えないってことは無さそうなので一定上の年齢層には常識と考えていいでしょう。

ところが・・・

さて、月は地球の周りをほぼ一日一回公転しているのも理科で学びますが、そうすると海の満潮、干潮も一日一回起こりそうです。
ところが気象庁のホームページ等を見ると満潮、干潮共に一日二回起こることが判ります。
潮汐の仕組み

筆者は幼少期の頃から100%、理科寄りに振り切った少年だったのでこの点が長年気になっていました。
この気象庁の説明を読んでも「起潮力」が何だかよく解らなかったのです。

疑問は解消されないまま

地上で月に近い側の海面が引っ張られて満潮になるのは納得できます。
しかしその裏側が満潮になるのは何故?を学校では教えてくれませんでした。
こんな疑問を放ったらかしにしたまま筆者は大人になってしまったのですが、ある時出会った書籍でこの疑問が解消します。

自分が地球上に立っていると地球は動かず、月が地球の周りを公転しているだけに感じてしまいますが、実際はどちらも重心を中心としてお互いに回っているのです。
地球のほうが大幅に重いので重心は地球側に大きく偏り、地球側が公転しているような現象を感じにくくなっているだけなのです。

このような引力と遠心力が合わさって「起潮力」と表現されているのです。

日常でもこんなことありませんか?

学校で教えてもらったことや、会社で教えてもらったことの中には、
「こういう原理があって、それの結果としてこういうことが起こる」
という根本的な理解無しに、とりあえず結果だけ教えてもらって以来ずっと
「よく分からんけどこの方法やっとけば大丈夫」
となっていること、ありませんか。

何となく知っているつもりのことを、子供や後輩社員に聞かれて上手く説明できず窮することがありませんか。

仕事でお使いのシステムに
「何故かは分からないがとても面倒な使い方を強要される」
「当たり前と思って運用している手順は本当に最適なのか、自身を持ってYESと言えない」

そんな意識をお持ちなら、現状を疑ってかかりましょう。
当初の関係者たちが大いなる改善として実装したシステムも時間の経過と共に会社の成長、社会の変化、技術の進歩から離れていくことによって「何でこんな事やっているのか分からない」になりがちです。

真にやるべきこと、優先すべきこと、やらなくても良いこと、色々見直して、人間がやらなくてもいいことはシステムにやらせる。
そういう変革を必要と思い立ったら「地球に立っている」人々だけでなく「外側から地球と月を俯瞰する」目線を持つパートナーに頼ることが突破口になるかもしれません。